スーパーシンメトリー


 超対称的場の理論の研究の流れをいうと、最初の頃はクオークとゲージ場を超対称性で統一しようという動きがありましたが、いい結果が得られず、いまではフェルミ粒子のクオークには超対称性のパートナーとしてボース粒子のクオークがあるのではないかというふうに、標準模型の粒子ごとにその対称性のパートナーがあると考えられており、それらを探す実験がおこなわれています。そういう粒子を総称して、超対称性・スーパーシンメトリーの粒子という意味で「スージー粒子」と呼んでいます。
 しかし超対称的場の理論は、期待されるほどには実験的な裏付けがありません。そのなかで比較的近い将来に検証できると期待されるものとして、ヒグス粒子の発見があります。
 ヒグス粒子はボース粒子なのですが、ボース粒子だけでは100GeV程度のエネルギースケールをもっていることを自然に説明することが困難だと考えられています。
 ところがそこにフェルミ粒子のパートナーがあれば、ヒグス場より高いエネルギーで超対称性が破れた結果、現在考えられている100GeV程度のヒグス場が生まれたのだと、比較的スムーズな説明ができるようになるというわけです。
 このように考えますと、ある種の仮定のもとでヒグス粒子は130〜140GeVよりは軽いはずであるという予言ができるのですが、もしそうだとすると、2010年ぐらいまでのうちに、加速器実験でヒグス粒子が発見される可能性があります。
 もうひとつ期待されるのは、スージー粒子の発見です。もしいま述べたようなことが本当だとすると、スージー粒子が比較的低いエネルギーで見つかるはずだと予測されています。
 ここで述べたのは、超対称性がプランクスケールに比べて比較的低いエネルギーで自発的に破れるというシナリオです。一方、超ひも理論はまだ完全には定式化されていませんから、実際にどのくらいのエネルギーで超対称性が破れるのか、いまのところわかっていませんが、実は超対称性はもはや10^18GeV程度のプランクスケールで破れているということも十分考えうるのです。
 現在、CERNで国際共同実験グループが建設中の世界最大の加速器LHCは、最大数千GeVまで計測できるとされ、この装置によって、スージー粒子とヒグス粒子の発見の可能性があるのではないかと考えられ提案す。ヒグス粒子が見つかれば、ノーベル賞級の大きな出来事といえます。なんといっても完成した標準模型の中で、ヒグス粒子は実験的に見つかっていない唯一の粒子なのですから。

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