超ひもと重力


 重力だけはなんとしてもくりこめなかったのです。なぜかというと、重力を量子化しようとすると、ファインマン図に従えばグラビトンを交換することになるわけですが、近距離でのグラビトンの量子論的なゆらぎはふつうのゲージ場の場合よりもはるかに大きく、素過程に単純に繰りこむことができないのです。
 そこで登場するのが超ひも理論です。超ひもでは、ゲージ場、重力場にかかわらず、「くりこむ」必要がないのです。たとえば電子の伝播で現れた発散を消すために、朝永さんらが行ったような巧妙な操作もいりません。電子の伝播中、電子が光子を放出し吸収するというファインマン図と比較してひもの挙動の描像で表すとよくわかります。
電子に対応する輪ゴムのようなひもが、電子に対応するひもと光子に対応するひもになめらかに分かれ、まだ滑らかに1つにくっつくという描像で描かれています。
点粒子の描像では、ある1点で局所的に起こる相互作用が無限大となっていました。ところが、もともと滑らかに相互作用するひもの場合、最初から発散は起こりようがないのです。

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